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12月, 2017の投稿を表示しています

ニューモシスチス肺炎(PCP:Pneumocystis pneumonia)

HIV,ステロイド、免疫抑制剤、抗癌剤、生物学的製剤を一定期間以上使用中の患者に、真菌の一種であるPneumocystis jiroveciiによる日和見感染症として発症する。P.jiroveciiの増殖は肺胞上皮細胞で起こり、肺間質への炎症細胞浸潤や肺胞隔壁の肥厚をきたすことでガス交換障害を生じる。 ・血液検査:βDグルカン↑、KL-6↑、PaO2↓、AaDO2開大、CRP↑、LDH↑ ・胸部Xp:肺門から両側へ広がるスリガラス影 ・胸部CT:スリガラス状陰影はモザイク状に分布し、上葉優位であり、抹消がスペアされる ・喀痰検査:グロコット染色で嚢子を、ディフクイック染色で栄養体と嚢子を確認 ・BAL検査:PCR法でDNA量確認 治療:ST合剤(ダイフェン錠)3-4錠/回、1日3回内服 ※低酸素血症(PaO2<70mmHg,AaDO2>35mmHg)がある場合、 プレドニン40mg1日2回5日間→40mg1日1回5日間→20mg1日1回11日間 再発予防:ST合剤1錠/回 週三回 毎日内服でも構わないが、肝酵素上昇、高K血症、発疹などの副作用の発生に注意。 ステロイド投与(PSL換算20mg/day以上を1ヶ月以上)を見たら、ダイフェン予防内服を。

チェーン・ストークス呼吸

心不全により循環に時間がかかると、動脈血のPaCO2の変化が中枢化学受容体に伝わるのに時間がかかる。 ・PaCO2の低下を調整しようとして呼吸数を減らすと、逆にPaCO2が上昇しすぎているという変化が受容体に伝わるのに時間がかかる(逆も然り)その結果、頻呼吸とゆっくりした呼吸を繰り返す。

肺炎球菌ワクチン

小児へはPCV 13(13-valent pneumococcal conflate vaccine: 13価肺炎球菌結合型ワクチン)の定期接種がある。 ・細菌性髄膜炎などのIPD(invasive pneumococcal disease:侵襲性肺炎球菌感染症)の発生が増加する4ヶ月頃までに初期の3回接種が終了していることが望ましいため、2ヶ月・3ヶ月・4ヶ月で接種し12−15ヶ月で追加接種するスケジュールが標準的 成人へは65歳以上を対象として、PPSV23:23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチンの定期接種がある。 ・五年間は効果が持続する ・2014-2018に限っては、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になるものが1回定期接種可能 ・インフルエンザとの混合感染の原因菌であり、季節に関係なく接種できるため、日本呼吸器学会はインフルエンザワクチンとの同日接種を推奨している(副作用は変化なし)

左室駆出率(left ventricular ejection fraction:EF)・収縮性心不全

左室の一回駆出量=左室拡張終期容積ー左室収縮終期容積 左室駆出率=駆出量/左室拡張終期容量×100(%) ・正常者の値はおよそ67±8% ・広義の収縮性心不全はEF≦50% 収縮性心不全の原因 ・虚血性心疾患 ・拡張型心筋症 ・進行した弁膜症(AR,AS,MR) ・内分泌疾患(糖尿病性心筋症など) ・浸潤性疾患(心臓アミロイドーシス、サルコイドーシスなど) ・薬剤(心毒性のある薬剤) ・収縮性心不全では、左室リモデリングに好影響(EFの増加、左室拡張終期容積の減少、左室収縮終期容積の減少)を与えると、長期生存率の改善に繋がる ・収縮性心不全が進行すると、左室の形状が細長い楕円球から球状に変化する。これにより僧帽弁輪の拡大や乳頭筋の偏位が起こり、僧帽弁逆流が発生する。これにより左房拡大が進行し、心房細動により、心不全がさらに悪化する可能性がある。

胸郭出口症候群

頸肋、前斜角筋、中斜角筋、鎖骨および第一肋骨、小胸筋などにより腕神経叢が圧迫され、上肢の疼痛、痺れ、重だるさなどが出現する。 Morleyテスト:鎖骨上部、腕神経叢部を圧迫すると上肢放散痛や痺れを認めれば陽性 Adsonテスト:頸部を軽度伸展位で患側へ傾け、深呼吸後に息を止めると橈骨動脈の拍動が消失すれば陽性 Wrightテスト:上肢を外転し後方に引くと橈骨動脈の拍 動が消失 すれば陽性 Roosテスト: 腕を外転90度、外旋90度、肘を90度曲げた状態にし手指の屈伸運動を3分間続けられなければ陽性

Cobb角

側弯の程度を角度で表したもの。最も傾きの強い椎体を終椎と呼び、終椎から終椎までの角度をCobb角という。 10°〜20°:側弯状態 20°〜:側弯症

Bragardテスト

下肢挙上伸展テスト(SLR)で陽性となった角度よりわずかに下肢を降ろして、疼痛が消失した状態で足関節を背屈する。下肢の外側や後面に疼痛が誘発されれば陽性。 ・腰仙椎部、仙腸関節、梨状筋には動きを起こさないため、神経根症の確定診断に有効 ・下肢を動かすと大腿神経や坐骨神経が伸ばされるが、通常はその源である神経根が腰椎部で滑動することで対応している。ところが、椎間板ヘルニアなどで神経根が絞扼されると滑動できなくなり、下肢を動かすと神経根が伸長されて痛みを発する。

下垂足の鑑別

下垂足の鑑別としては、主に3つの原因に分けられる ①脳血管障害 脳梗塞でも、場所によっては下垂足のみなどの限局性麻痺も生じうる 活動中の突然発症であることが診断の糸口となる ②L5神経根障害 L5は中臀筋支配でもあるため、股関節外転での筋力低下がみられる。そこが①、③との鑑別点 中臀筋の筋力低下では、Trendelenburg徴候陽性となる。片足を上げたさいに遊脚側の骨盤が沈下する。 ③腓骨神経麻痺 深腓骨神経は前脛骨筋、長趾伸筋、長母指伸筋支配であり、足関節背屈、母指背屈、足趾背屈全て低下する。

腰椎穿刺

腰椎穿刺の手順 ①側臥位で脊柱が地面と水平に、背中が地面と垂直になるようにする ②Jacoby線上の棘突起間( L4/L5 )を確認 L3/L4 L4/L5 L5/S1 にマーキング ③針穴が上を向くように両手でスパイナル針を持ち、穿刺部位に垂直にあててまっすぐ進める ④棘間靭帯の抵抗がなくなったところで止め、髄液の流出を確認 ※針が骨に当たって進まない時は、針を頭側に15°傾けて刺しなおす ・腰椎麻酔する場合は、マーカイン(ブピバカイン)を用いる。 ・高比重マーカインは髄液より重く、等比重マーカインは髄液より軽い。 ・最高痛覚遮断レベル到達時間は高比重:15分、等比重:45分 ・脊椎の彎曲の上部はL3でありL4/L5を穿刺すれば血圧低下は起きにくい。また等比重マーカインを用いた場合でも麻酔範囲のばらつきが小さくなる

外傷に対する挿管時の導入

挿管時に投与する薬剤は病態によって分類する。 ①気道緊急(無反応、無呼吸あるいは瀕死の呼吸状態、心停止) 鎮静:なし 鎮痛:なし 筋弛緩:なし 顎が十分に柔らかくない、あるいは開口が不十分な場合は、適宜筋弛緩薬を使用する(ロクロニウム0.9-1.2mg/kg スキサメトニウム1.5mg/kg べクロニウム0.1-0.2mg/kg): エスラックス5ml/50kg ②気道閉塞(顔面または頸部外傷に伴う気道閉塞で挿管困難が予想される) 鎮静:なし 鎮痛:フェンタニル0.5-1μg/kg適宜: フェンタニル1ml/50kg 筋弛緩:なし  ③酸素化不十分・低換気 鎮静:プロポフォール0.5mg/kg/10秒 鎮痛:フェンタニル1-2μg/kg適宜: フェンタニル1-2ml/50kg 筋弛緩:ロクロニウム0.9-1.2mg/kg or スキサメトニウム1.5mg/kg or べクロニウム0.1-0.2mg/kg: エスラックス5ml/50kg ④ショック ・sBP<80 鎮静:なし 鎮痛:フェンタニル0.5-1μg/kg適宜: フェンタニル1ml/50kg 筋弛緩:ロクロニウム0.9-1.2mg/kg スキサメトニウム1.5mg/kg べクロニウム0.3mg/kg: エスラックス5ml/50kg ・sBP80-100 鎮静:ケタミン1mg/kg or ミダゾラム0.1-0.3mg/kg or エトミデート0.2-0.6mg/kg: ケタラール5ml/50kg 鎮痛:フェンタニル1-2μg/kg適宜: フェンタニル1-2ml/50kg 筋弛緩:ロクロニウム0.9-1.2mg/kg スキサメトニウム1.5mg/kg べクロニウム0.3mg/kg: エスラックス5ml/50kg ⑤頭部外傷・GCS合計4-8 (ショックなし) 鎮静:適宜リドカイン1.5mg/kg(咳反射抑制、頭蓋内圧上昇抑制)後に、プロポフォール0.5mg/kg/10sの速度で、2.0-2.5mg/kgまたはミダゾラム0.2-0.3mg/kg(効果発現まで少量ずつ投与) リドカイン5ml/66kg→プロポフォール10ml/50kg/30s 鎮痛:フェンタニル1-2μg/kg適宜: フェンタニル1-2ml/50kg 筋弛緩:ロクロニウム0.9-1.2m...

TMA症候群

Transient myoclonic state with asterixis(TMA)症候群は、高齢者に身震い様の不随意運動が急性発症し自然軽快する病態。 ・筋の電撃的な収縮が不規則なリズムで反復する不随意運動であるミオクローヌスを主体とし、Asterixis を伴う。Asterixisとは持続的に筋肉に力を入れている時に突然筋収縮が途切れるために生じるものであり、羽ばたき振戦もこれに属する。 ・高齢者で慢性疾患をもった患者に発生 ・発症は急性であるが突発性ではなく、数時間かけて徐々に増強 ・訴えは「震え」であり、安静時に存在する全身性の震えで頸部や上肢に強い ・自発性のふるえと同時に両側にAsterixisを認める ・発作中の意識は正常で、口頭指示には従うことは可能 ・眼球クローヌス(眼球のあらゆる方向への急速な振動様の不随意運動)はなく、眼球運動は正常 ・小脳症状や発汗障害などの自律神経障害は認めない ・治療はジアゼパム、クロナゼパムが有効で、一旦治れば薬剤は中止可能。

手根管症候群

正中神経に対する横手根靭帯による圧迫で手指掌側1-3指,4指橈側の痺れが出現 ・進行すると握力の低下や母指球筋の萎縮あり ・画像検査で頚椎疾患を認めていても、同時に絞扼性末梢神経疾患の存在を合併している症例(double crush syndrome)もある

敗血症

定義:感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態 ・ICU以外の患者では、qSOFA2項目以上を満たす場合に敗血症を疑い、臓器障害(SOFAスコア)を調べる必要性がある ・qSOFA: 意識変容(GCS<15),呼吸数>22,収縮期血圧≦100mmHg ・敗血症に対し、①十分な輸液を行ってもmBP≧65の維持に血管作動薬を必要とする②血清乳酸値>2mmol/lの両方を満たす場合に敗血症性ショックと診断する。 ・輸液速度やカテコラミン選択のために、初期蘇生の開始時にエコーで心機能評価と欠陥内容量の評価を行う。①血管拡張に伴う抹消血管抵抗の制御困難である場合は少量のバソプレシン追加投与(血管収縮作用あり)も有効であるが、②SIMD合併に伴う心機能低下(心原性ショック)では病態をさらに悪化させる可能性がある。 ・敗血症性ショックに対して低容量ステロイド( ハイドロコルチゾン300mg/day以下)で、ショック離脱を目安に(最長7日間)投与する。もしくは代替としてmPSL1mg/kg/dayを投与。 ・初期蘇生時にHb7g/dL未満であれば、RCC輸血開始。 ・高度な代謝性アシドーシス、高K血症、溢水を伴うAKIについては透析導入。 ・48時間以内に経腸栄養開始。

リウマチにおける環軸椎不安定性

環椎の腹側表面と歯突起の背面との距離は、14mm以上あるべき。 ・術前評価で10mm以下の場合は、麻痺の改善は望めない ・13mm程度で麻痺が存在する場合、改善が見込める 歯突起の前面と環椎との距離は、通常3.5mm以下 ・10mm以上ある場合は、横靭帯の損傷を考える。 この靱帯が断裂すると歯突起が後方に偏位して延髄を圧迫し、致命的となる。 この靱帯が断裂すると歯突起が後方に偏位して延髄を圧迫し、致命的となる。

歯突起骨

歯突起骨とは、歯突起が全体として分離して発育したもののこと。 ・先天性の分離や後天性の歯突起骨折後の癒合不全が原因とされているが、画像上の区別は困難 ・Down症候群、Morquio(モルキオ)症候群、Klippel-Feil(クリッペル-ファイル)症候群などに合併する。 ・脊髄症状が発生した場合や不安定性があれば環軸椎固定術が適応となる。 Klippel-Feil(クリッペル-ファイル)症候群:短頸、後頭部頭髪の生え際の低位、頚椎可動域制限を3徴とする先天性頚椎分節異常。

Serratia (セラチア)

SerratiaはGNR-s でありグラム染色ではP.aeruginosaとの鑑別は難しい。 ・湿潤した環境を好む。water bug 流し台や消毒器容器、ネブライザーなどに存在。 ・アウトブレイクの原因としては、素手によるアルコール綿の使用、三方活栓のキャップ再使用、ヘパリンロックの乱用などなど。 ・ ビーフリードを12時間以上で投与 すると感染の原因となる。8時間投与を心がける。 ・ABPCや第一〜第二セファロスポリン系には自然耐性。SBT/ABPCも無効。 ・CTX,CTRXが第一選択となる。安易に緑膿菌カバーはしない。内服はST合剤,LVFX.など.

鎖骨下静脈穿刺

・通常、右鎖骨下静脈を穿刺する。左鎖骨下静脈を穿刺すると胸管を傷つける可能性がある。 ・鎖骨中央から外側1/3で鎖骨より足側に1-2横指の点から穿刺、針先を頸切痕(胸骨の正中上縁部)に向けて進め、鎖骨に当たったら針先を鎖骨の下にくぐらせる。 ・動脈と肺を刺さないよう注意。動脈は触れるorエコーで確認。 ・動脈or肺に当たると痛い。 ・長さは内頸静脈と同じ13-15cm。